一昔前までは、痛風と言えば中年以降、60代くらいからの男性に多い病気と思われる傾向が高かったですね。
この傾向は現代でも同じだと思いますか?
いいえ、現代ではナント20代でも痛風患者が増えているというくらい、痛風と言うのは身近な病気になっているのです。
現在でも痛風になってしまう人は確かに男性の方が多いです。
けれども、食生活の変化から、女性の痛風患者も確実に増えているんですよね。
このように、老若男女、誰でもかかってしまう可能性のある痛風を、日常生活の中で予防していくにはどうすれば良いのでしょうか?
この記事では痛風を予防するために知っておきたいプリン体について詳しく解説したあとに、プリン体の多い食べ物と尿酸値を下げてくれる食べ物について解説します。
さらに、痛風予防のために食事以外で気を付けておきたい習慣についても触れてしいます。
- プリン体ってよく聞くけど何かはあまり知らない
- 痛風を正しく予防していくための食事について知りたい
- 尿酸値が高いのでここから気合をいれて痛風を未然に防ぐ対策をとっていきたい
上記のように考えている人のためにわかりやすく順を追って説明していきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。
痛風の予防に深い関係があるのは「尿酸」と「プリン体」
痛風というのは激しい痛みで有名ですが、この痛みの原因と言うのは、血中の尿酸が結晶化することが直接的な原因です。
ですから、血中の尿酸値が「異常」でなくても「高めの傾向」というのは「痛風予備軍」であり、危険な状態なのですね。
一時的なものではなく、もしあなたが毎年の健康診断で「尿酸値が高めなので食べ物などに気を付けてくださいね」と言われていたら「異常値じゃないから平気」なんて高を括っているとヒドイ目に遭ってしまいますよ。
しかし、そんなことを言われても、尿酸値が高いだけでは身体に異変があるわけでもなく、なかなか何をどうすれば「尿酸値に気を付ける」生活ができるのかはよくわかりませんよね。
そこで知っておいていただきたいのが「プリン体」のことなのです。
痛風予防のためには尿酸値とプリン体の深~い関係を知ろう!
痛風予防においては、尿酸を「つくる」ことと「排出」することのバランスを保つことが大切です。
痛風の原因になるからと言って、ふだんの生活で尿酸を作らないなんてことは不可能なのです。
尿酸だって、適切な量ができるだけであれば、しっかりと尿で排出することができるので尿酸結晶などを作ることはないのですよ。
では、適切な尿酸の量に留めるにはどうすれば良いかと言うと、食生活における「プリン体」の量に気を付ければ良いのです。
なんせプリン体というのは、尿酸の原料になる物質なのですから。
痛風の人が予防のために避けたい「プリン体」とはそもそも一体何?
尿酸の原料になるということだけが世間に広まって、悪いイメージの多いプリン体ですが、もちろん身体にとって不必要なものではありません。
プリン体は、人間の体内では、エネルギー伝達物質として役に立っている大切な物質なのです。
しかもプリン体というのは、私たちの体を作っている細胞1つ1つの「核」に含まれているDNAの主成分とも言われているのです!!
ですから、全く体内に摂りこまないというのはそれはそれでよろしくありません。
ただ、DNAの主成分になるほどの高栄養のものなので、やはり摂り過ぎは身体に毒になるんですよね。
プリン体はDNAの核の主成分なので、ほとんどの食べ物の細胞・核に存在しています。
つまり自然に存在する生き物にはそもそもプリン体が含まれています。
ただ、その種類によって当然含まれるプリン体の多さは異なるので、プリン体に気を付けた食事を摂りたい時は「食べ物が含むプリン体の量」に気を付けて食事をすれば良いのです。
痛風予防のために避けよう!プリン体の多い食べ物やアルコール類とは?
ビールは以前からプリン体の多い飲み物ということで、痛風の敵!というような扱いを受けてきましたが、実は暴飲をしなければそこまで危なくないというのが最近の見解のようです(500ml~750ml/日 くらいであればOKだそうですよ、もちろん人によりますが)。
というわけで、下に「プリン体の多い食べ物」をまとめてみました。
あなたが痛風予防の食事を摂る際の参考にしてくださいね。
プリン体が「特に多い」食品
- 鮟肝…199.6mg(50g中)→プリン体が多いと言うことで周知されてきた食品です。50gというと居酒屋で頼んだ時の1人前くらいですね。
- イサキの白子…152.8mg(50g中)→こちらも居酒屋メニューですね。あまり口にする機会はありませんが、食べ過ぎには注意!
- 牛焼肉レバー…122.2mg(120g中)→鮟肝と言いレバーと言い、やはり「肝」系は細胞が凝縮しているからかプリン体多しです!!
プリン体が「普通に多い」食品
- 牛肉ヒレステーキ…84.6mg(200g中)→ステーキ200gというのはやや大きめですが鮟肝の半分はありますからね。ヒレステーキというと脂身が少なくさっぱりしているような印象を受けるかもしれませんが、プリン体は多いのが特徴ですので食べ過ぎは注意です。
- 豚ロースステーキ…79.8mg(200g中)→牛より豚の方が健康的な感じがするかもしれませんが、プリン体的に見ると特に変わりませんよ!
- カツオの切り身…72.2mg(80g中)→80gというと、お造りとしては1人前くらいですね。でも200gの豚ステーキとほぼ変わらないプリン体です!
- 車エビ…68.6mg(80g中)→可食部だけで考えると、80gというのは3~4尾分くらいの量ですね。料亭で出てくる1人前の量くらいと言えるでしょう。
- アジの干物…65.3mg(60g中)→可食部が60gと言うのは、少し小さめでも夕飯のおかずでは1人前になるくらいの大きさです。健康食そうで意外にプリン体多しです。
- マグロの切り身…53.8mg(80g中)→多くの刺身は1切10g前後なので、こちらも8切ほど、つまり1人前のお造りくらいです。
- タラバガニ…47.4mg(100g中)→タラバガニ100gとは、可食部だけで考えるとハサミ付の足2本分くらいですね。結構すぐに100gに届くのです。
- ヒラメの切り身…46.0mg(80g中)→ヒラメは縁側が美味しいですが、こちらも淡白そうで意外にプリン体多しです。
- マダコ…45.8mg(80g中)→やはり刺身だと1切10g前後なので、1パックくらいが80g弱ですね。ビールのおつまみのも最適なタコですが、食べ過ぎには要注意ですよ。
アルコールはプリン体が多い?
- ビール…32.4mg(大瓶1本/633ml)→プリン体が多いという印象の強いビールですが、大瓶1本あたりだと、意外にも鮟肝の5分の1にも満たないのですね。もちろん暴飲はNGですが。
- 日本酒…2.2mg(1合)→日本で昔から飲まれていた清酒(日本酒)はプリン体は低いですね。昔、日本人に痛風が少なかったのはこうしたことも理由かもしれません。
- ワイングラス…1.0mg(1杯)→ワイングラス1杯あたりのプリン体量としては、ワインもあまり多くありません。ただワインは本数飲む人も多いので一概には言えませんね。
- ブランデー…0.2mg(40ml)→ブランデーはプリン体をほぼ含まないアルコールの1種です。
- ウイスキー…0.1mg(80ml)→ブランデーと同じく、ウイスキーもほぼプリン体を含んでいません。
- 焼酎水割り…0.0mg(1杯)→痛風や糖尿の患者さんはビールを止めて焼酎を飲む人が多いのですが、それもそのはず。焼酎にはほとんどプリン体は含まれていないのです!!
痛風を予防するためにしておきたいこと・気を付けたいこと
ここまでにご紹介してきたように、痛風には尿酸・プリン体が深く関わっているので、尿酸を体内で増やさないためにはプリン体を多く含む食品を控えることが大切になります。
ただ、この他にも「尿酸値の上昇を防ぐ」ために摂取した方が良いという食べ物もあります。
さらに、食べ物などの「食事的」なポイント以外にも、運動やストレスなどのコントロールも尿酸値の抑制に効果があります。
ここからは、こうした痛風予防のための具体策をご紹介していきます。
尿酸の産生を抑えて痛風を予防する食べ物
体内の尿酸値を上昇させないためには、そもそも身体が尿酸を産生(つくること)をしなければ良いわけですし、もし作ったのであれば、その量が適量になるように調整できれば良いのです。
ではどんな食べ物が尿酸の作りすぎを防いでくれるかと言うと…。
尿酸の生成を抑える食品:コーヒー
実はコーヒーと尿酸については、具体的な研究もされていて、1日に4~5杯のコーヒーを飲む人と全く飲まない人では、尿酸値が異なる結果がでたそうです。
その結果とは、コーヒーを毎日飲んでいた人は0.26mg/dlではありますが数値が低かったということです。
コーヒーも飲み過ぎは身体に良くはありませんが、適量で尿酸値の抑制をしてくれるなら嬉しいですよね。
コーヒーと言えばカフェインですが、尿酸値の抑制に効果があるらしいのは実はカフェインではなく、コーヒーに含まれる「クロロゲン」と呼ばれる抗酸化物質と言われています。
この抗酸化物質がインスリンの感受性を改善するのだそうで、こうしてインスリンが低下することと尿酸値の低下が関係しているということだそうですよ。
尿をアルカリ性に傾けて痛風を予防する食べ物
尿酸と言うのは「酸」という文字がついている通り、尿を「酸性」に傾ける作用があります。
ですから、尿をできるだけアルカリ性に傾けるような食べ物を積極的に摂ると良いと言われています。
尿をアルカリ性へと傾けてくれる食べ物には次のようなものがあります。
「緑黄色野菜・ごぼう・イモ類・海藻類」が代表的な食べ物です。
これらの中で緑黄色野菜や海藻類は、最近はコンビニでもサラダとして売られていますし、小腹が空いた時の間食を「甘いもの→サラダ」にシフトするだけで痛風も肥満も抑えられますよ。
尿酸値を抑えるて痛風予防に効果のあるサプリやお茶
時代のおかげで、色々と苦労しなくてもサプリやお茶で尿酸が抑えられることもあるようです。
尿酸値の抑制や排出について有名な成分には「アンセリン」というものがあって、この成分を含んだサプリ等は通販で色々な種類が手に入ります。
尿酸を体外へ排出できるお茶と言うのも、探せば売られている場合があるので、薬局に行った際には健康茶のコーナーに一度寄ってみてみると良いかもしれません。
アンセリンの他には、菊花ポリフェノールや還元型コエンザイムQ10、フコキサンチンなどを含むサプリや健康食品も尿酸のコントロールに役立つことが多いと言われています。
薬局においてある商品よりも、インターネットでしか購入できないサプリメントの方が口コミ評価は高い傾向にあるようです。
それはなぜかというと、ドラッグストアなどに卸す物流コスト分がカットできるため、その分通販限定のサプリというのは成分がしっかりとしている物が多いんですね。
当サイトでも本当にオススメできるサプリメントを紹介しているのでチェックしてみてください。
尿酸値を下げるのに役立ってくれる食べ物についてもっと詳しく解説している記事はこちら
食べ物以外で尿酸をコントロールして痛風を予防するには?
ここまでの情報で、食べ物については調整すること考えたあなたは、「もう1つ何か自分が取り組めることはないか?」と考えたことと思います。
そうしたあなたには、次のような尿酸コントロールをおすすめします。
尿酸値を抑えるには軽い運動を続けて痛風を予防しよう!
「摂取したエネルギーの消費」ということで続けたいのが「軽い運動」です。
激しい運動は逆に尿酸値を上げてしまうことになるので、できたらジョギングやウォーキングと言った有酸素運動をするのがgoodですよ。
ストレスは上手に解消して痛風を予防していこう!
ストレスは食べ物でもないし、尿酸値には関わりないと思ったあなたは危険です。
尿酸値の上昇にはストレスを受けた時などに増加する「活性酸素」が関わっているのです。
ですから、活性酸素を必要以上増やさないためにも、ストレスは溜めないことが1番ですよ。
痛風の予防についてのまとめ
いかがでしたか?痛風というのは乱れた生活習慣や美味しいものを食べ過ぎてしまったりすることで発症するということがお分かりいただけたかと思います。
痛風は一度なってしまうと、先が長い病気ですが、今は手軽に始められるサプリメントで痛風が心配な食生活をサポートすることができます。
予防のために何よりも大切なのは食生活を改善することです。
乱れた食生活にプラスして飲むことで身体にとって必要なものを補ってくれる優秀なサプリメントがあるので、一度チェックしてみてくださいね。