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痛風には遺伝が関係している

痛風というと30~40代の中年男性に多い病気で、足の親指の付け根や関節などに非常に強い痛みがあらわれる病気です。

でも痛風はビールの飲みすぎや肥満などが原因になって引き起こされるイメージありませんか?

実は痛風発作の症状が発症することが生活習慣と強く関連があることは事実なのですが、遺伝の影響もゼロではないのです。

最近は以前のように30~40代の男性にみられる痛風というよりは、発症年齢が若年化してきたり、女性の痛風も増えてくるなど、変化がみられてきています。

男女の違いに関わらず、痛風と遺伝には関係があると明らにされている以上は遺伝的な要因も無視はできませんね。遺伝が要因だとしたら治療だけでは何とかならない部分もありますから。

今回は痛風と遺伝との関係についてご紹介しています。

この記事を読むと

  • 痛風に遺伝は本当に関係しているのか?詳しいメカニズム
  • 家族や父・祖父などが痛風でも自分は痛風にならないためできること

が判るようになります。

ぜひ読み進めてみてくださいね。

痛風には遺伝が影響を与える

両親のどちらかが痛風持ちという方には非常に残念ですが、痛風には遺伝的な素因が影響を与えるという研究報告があります。

痛風には遺伝が影響するという言葉よりも正しく言うと、痛風そのものではなく「血清の尿酸値の調節」を行う機能に遺伝が影響するといったほうが正確です。

尿酸値の調節能力が遺伝によって変わることから、「遺伝によって痛風が起きやすくなる」といえるのです。

健康志向が強い人でも痛風になる

健康志向が強くても痛風になる!?

痛風というと生活習慣によるところが大きいという印象がありますね。痛風は中年の人の不摂生な生活によって発症するというイメージです。

しかし、生活習慣に気をつかっている健康志向が強いような人でも、痛風や高尿酸血症になるケースがあるとイギリスの学者が述べています。

尿酸値が高くなることや、痛風になってしまうことは、単に生活習慣という切り口だけでは説明がつかないといえます。

父親や祖父が痛風だと症状も遺伝するの?

父親や祖父が痛風

痛風と遺伝との関係は事実としてあるため、父親や祖父など身内に痛風の人がいると自分も痛風になる可能性が高くなります。

世界で一番の痛風大国である台湾の研究者の報告では、親・兄弟・子供に痛風の人がいると、高尿酸血症になるリスクが2倍に高まると示されました。

また、祖父やおじ・おばなどの自分からみると若干遠い関係でも、親族に痛風の症状で治療が必要な人がいると、自分が痛風になる確率が男性では1.27倍、女性では1.40倍になることが明らかとなったのです。

いずれの場合も、身近な家族や親戚に痛風の人がいると、痛風を発症する危険性が高まるということがいえます。

もし、あなたの親や祖父が痛風の治療を行ってきた事実があるとしたら、あなたが痛風になる可能性が通常よりも高くなります。

身内に痛風の人がいると把握できているときは、できるだけ生活習慣に気を配りたいですね。

家族は生活習慣が似ている

家族は生活習慣が似てくる

家族に痛風の人がいると、自分も痛風になる確率が高くなるとお伝えしましたが、同じ家族で痛風が発症しやすい背景としてはもう一つ考えられることがあります。

それは、家族では食事や行動のパターンが根本的に似てしまうということです。

特に食事の内容に関しては、ヘルシーな和食が多いのか、欧米風の高カロリーな洋食が多いのかは家庭によってスタイルの違いがありますよね?

他にも、家族でビールを冷やして毎日何杯も飲む習慣があるなら、お酒の影響もあるでしょう。

他の例としては、一家みんなが肥満気味である家庭を想像してみましょう。

もともとその家族には太りやすい遺伝子が受け継がれていることも考えられますが、単純に同じ食事を食べているために肥満になっているとも考えられます。

痛風に関してもまったく同様で、遺伝子レベルでの影響はありますが、生活のスタイルが根本的に似ているからとも捉えられます。

一般的に肉食の方が尿酸値は高まりやすいので、単なる遺伝子の影響だけではなく、各家庭の食生活の特徴によっても痛風のかかりやすさは左右されるのです。

尿酸値の調節能力って?

痛風の直接の原因は体内の尿酸値が高いことです。

尿酸値の調節には遺伝子が関与していますが、尿酸値が高くなるメカニズムとしては、大きく2つの病態に分類できます。

尿酸の生産過剰タイプ

一つ目は、尿酸を作る働きが過剰となる状態で、これは尿酸の生産過剰型と呼ばれます。

痛風以外の健康な人でも、尿酸は体内で必ず生産されるものです。

人間は毎日何かを食べて日々を生きていますが、体に取り込んだものは消化されたり、代謝されます。

体内で食べ物が代謝されていくと、尿酸が最終的な産物として肝臓でつくられます。

尿酸があると抗酸化物質として作用するために、人間にとって一定量の尿酸があることには意味があるのです。

しかし、尿酸が過剰に生産されてしまうと、尿酸の結晶ができて痛風の引き金となります。

尿酸の排泄低下タイプ

尿酸を生産しすぎる状態もありますが、痛風では尿酸を排出するプロセスで機能的な問題があることの方が多いです。

尿酸を排泄するプロセスにおける変化があるときは、排泄低下型といわれます。尿酸を作り出す量が正常でも、排出するプロセスでうまく機能しなければ、結果的に尿酸値が高くなります。

痛風の人では尿酸の排泄機能が低下していることが多いのです。

痛風には尿酸値の調節に関係する遺伝子の変異が関係している

痛風にかかわる遺伝子

ここから痛風の遺伝的要因にかかわる遺伝子の説明に入るのですが、少し難しい内容のため、ここを読み飛ばす場合は痛風の遺伝以外の原因から続けて読んでください。

遺伝的な要因によって痛風になってしまっている人は、尿酸値の調節に関与する「遺伝子」に特徴的な点があります。

親が痛風を発症している場合はもしかすると痛風に少なからず影響を与える遺伝子を持っている可能性があります。

この場合、尿酸に関係する遺伝子に変異があるといわれていますが、よく起こる変異ではありながらも影響自体は実はそんなに強くないものとされています。

つまり、尿酸値に大きな影響を与える遺伝子の変異は「遺伝病」となるので、痛風や高尿酸血症のような病態を呈することはないのです。

遺伝子の解析技術が発展し、痛風に関与する遺伝子というのもずいぶんと特定され、痛風という疾患の構造の理解が進みつつあります。

ABCG2遺伝子ってなに?

痛風の症状に悩まされている人でよく変異が認められる遺伝子の中で、尿酸値に影響を及ぼすとされる遺伝子としては、ABCG2遺伝子というものがあります。

遺伝子の表記は英語で表され、たくさんの種類がありますが、その中の遺伝子の一つになります。

ABCG2遺伝子とは、2009年に防衛以下大学校や東京大学の研究グループが発見した遺伝子です。

世界で初めて日本の大学が痛風に関わる主要な遺伝子として明らかにしたのです。

もともと2004年に台湾の研究グループが人間の染色体のある部分に、詳細不明の痛風遺伝子があることを報告していました。

日本の研究グループが、この領域にある遺伝子に注目し、最終的に世界で初めて痛風に関する遺伝子を発見するに至ったのです。

ABCG遺伝子とは尿酸トランスポーターともいわれており、尿酸を体の外へ排出するときに関与する遺伝子です。

この遺伝子が変異していると、尿酸を外へ排出する過程において困難さがでてきます。

ABCG2遺伝子は消化管の中に存在し、消化管から尿酸を排泄するときに作用します。

このときにABCG遺伝子に変異が生じることで、健康な人と比べると尿酸の排泄が困難になるという状態に陥ります。

さらに、遺伝子の変異の仕方によって、尿酸排泄の機能へ与える影響にも差が出てきます。

痛風の人はみんな遺伝子の変異があるの?

2009年に防衛以下大学校や東京大学のグループが発表した研究報告では、日本人の痛風の人のうち、なんと8割の人にはABCG2遺伝子に変異が起こっていることを示しました。

さらに、痛風患者のうちの1割では、尿酸を排泄する力が健康な人の4分の1もない状態であり、尿酸を排泄する力が乏しいことが明らかとなったのです。

尿酸を外に排泄する機能が低下してしまうと、必然的に体の中には尿酸が溜まっていくことになります。

尿酸を排泄する機能にトラブルを抱える人は、驚くべきことに痛風を発症するリスクはなんと26倍にもなることが示されました。

痛風の主要な遺伝子の変異について、日本のグループが世界で初めて明らかにできた新事実は、世界的にも注目を集めました。

痛風には生活習慣がカギとなることは確かなのですが、同じ食生活を続けているのに痛風を発症する人もいれば、発症しない人もいます。

同じ生活習慣なのに痛風が発症しないことがある背景として、遺伝子の変異の有無から説明がつきます。

痛風に関わる遺伝子の検査ってあるの?

痛風には、遺伝という素因が大きく関与していることをご紹介しましたが、「実際に遺伝子の検査なんてできるの?」と思う人もいるでしょう。

もし、自分の遺伝子が痛風になりやすい変異があるのかどうかがわかれば、痛風を予防したり、早期から対応することが可能なので有用です。

痛風に関わるABCG2遺伝子検査

痛風の人の8割が持っているのはABCG2遺伝子の変異ですが、変異の有無は遺伝子検査で調べることができるのです。

2009年にABCG2遺伝子が痛風に与える影響が明らかとなって以来、痛風の予防や早期発見として遺伝子検査を活用しようという動きが広まりつつあります。

この検査が普及することによって、痛風の予防のあり方が大きく変わっていくことが期待されます。

ABCG2遺伝子検査は、日本国内の検査機関で検査することができ、費用は約1万3000円となっています。

まったく手が出ない費用ではないため、気になる方は自分の健康管理のために受けてみると、自己管理のためのヒントが得られるかもしれません。

せっかく遺伝子解析が進んでいる時代に生きているので、積極的に活用した方が良いでしょう。

ABCG2遺伝子検査の概要

実際の検査では、ABCG2遺伝子の中の2つの変異だけ調べれば、変異のパターンを予測できるとされており、非常に簡便な検査法になっています。

一つ目の変異は「Q126X」と呼ばれる部分で、ここに変異があると「ABCG2」の機能である尿酸を排泄する機能はすべて失われていまいます。

もう一つのQ141Kという部分で変異があると、尿酸を排泄する機能が半分に低下します。

この2つの変異を調べることで、尿酸塩が原因で起こる関節炎、つまり痛風になるリスクを高い確率で予測できるのです。

便利な時代になったと実感しますね。簡便な検査であることから、かかるコストもそれほど大きくなりませんが、得られる情報は非常に有用性があるでしょう。

ABCG2遺伝子検査はどこで受けられるの?

痛風の早期発見や自己管理のために、尿酸値が高めの人や、身内に痛風の人がいる場合には、「ABCG2遺伝子検査を受けてみたい!」という人もいるでしょう。

現在、全国の病院やクリニックを通して、臨床会社のビー・エム・エルの「ABCG2遺伝子多型解析」という検査を受けられるように整備中です。

もし、痛風の遺伝子があることがわかっても、落胆する必要はありません。

明治時代までは、日本人に痛風はなかったという説があります。

昔から遺伝子の変異は存在していたはずなのに、食生活が変わった現代において発症する人が増えているのです。

こういった歴史や変遷を紐解いていくと、遺伝的に痛風になりやすい体質の人はそこで諦める必要はなく、単純に生活習慣に気をつければ良いのです。

痛風では遺伝以外の原因にどんなものがあるの?

痛風では、遺伝的な素因が大きな影響力を持つことが明らかとなっていますが、遺伝子の変異があると必ずしも痛風を発症するというわけではありません。

男性の場合は遺伝的要因が3分の1、女性の場合は5分の1となっています。

つまり、痛風の要因を遺伝的要因と環境的要因で分けて考えると男性の場合で30%強、女性の場合は20%が環境的要因となっているということです。

この数字を見ると、痛風になったときに「遺伝だから仕方ない!」と声を大にして言うことはできないですね。

食生活をはじめとする生活習慣がカギとなりますが、遺伝的に痛風になりやすい人は生活習慣や健康管理に気を配りましょう。

面倒に感じる人もいるかもしれませんが、痛風になると発作時に体験する激痛に耐えることと比べたら、頑張る気持ちになります。

痛風を予防するために、痛風を発症しやすくなる食生活についてご紹介していきます。次にご紹介する食べ物・飲み物を避けて生活することが望ましいです。

痛風の要因その1:アルコール飲料

アルコール飲料

アルコールといえばビールですが、ビールにはプリン体が含まれており尿酸値が高まってしまうことから、痛風には悪影響を及ぼします。

ワインは痛風と関係がないと主張する立場もありますが、実際にはお酒の種類に関係なく、アルコール自体に尿酸値を上げる働きがあるため、アルコールが含まれるもの全般は摂取を控えたほうが良いでしょう。

アルコールの作用として、体の中に乳酸がたまっていきます。

乳酸がたまることで、尿酸を排泄するための働きが弱まってしまうため、痛風の人にはアルコールはNGといわれています。痛風の人には、尿酸を排泄するときにはたらく遺伝子に変異がある傾向を示すので、そこへアルコールを摂取してさらに尿酸の排泄が困難となってしまっては、痛風の引き金となることは想像できます。

痛風になる人は、習慣的にお酒を飲んでいる人が多いのが実情です。プリン体ゼロのビールやノンアルコールビールに切り替えるなど、工夫してみましょう。

痛風の要因その2:肉類

食の欧米化にともなって、日本人も肉が中心の食生活になってきています。肉類には基本的にプリン体がたくさん含まれているので、少し意識して摂取量を減らしてみましょう。

ちょっとした意識の仕方で野菜を食べる量を増やすことができるなど、食生活のあり方が変わってくるでしょう。

実際にベジタリアンは尿酸値が低いことが知られていて、肉類によって尿酸値が増加するということが実感できます。

痛風の要因その3:魚の干物・レバー

魚の干物は美味しく病みつきになってしまいますが、干物にはプリン体が大量に含まれています。

レバーも非常に多くのプリン体を含有しており、特に取りレバーにはたくさん含まれています。

人間の場合も腸や腎臓、肝臓などの内臓で尿酸を代謝していくことから想像できるように、食用のレバーを始めとする内臓系にはプリン体が多そうというイメージがわきます。

まさしくその通りであり、いずれもプリン体を多く含む、痛風の人や痛風予備軍の人にとっては要注意の食べ物です。

痛風の人の運動習慣はどうあるべき?

痛風の人は肥満を合併することが多い傾向にありますが、痛風を予防・改善するためには、肥満から脱却することはポイントとなる点です。

痛風を改善するために効果があるといわれている運動の種類は、次のようなものになります。

  • ウォーキング
  • 水泳
  • ふともも上げなどの軽い体操
  • 軽いサイクリング

サイクリングの画像

上記のような軽めのゆったりした運動が効果的といわれています。

とにかく運動すればいいという気持ちで、負荷の大きな激しい運動を選んでしまうと、かえって逆効果になってしまいます。

負荷の大きな筋トレなどで大量の汗をかいたり、代謝が活発になりすぎると、腎臓に負担を与えることになります。

痛風では尿酸値のコントロールは重要なポイントであり、急に尿酸値が上がってしまうと痛風の発作が起きやすくなります。

ふだん運動習慣のない肥満の人がある日突然激しい運動をすると体にとっては大変大きな負担になります。

頑張って運動しすぎると、結果として代謝がうまくいかなくなり尿酸値が上がってしまうおそれがあるので、無理せずにゆったりとした軽運動に取り組むようにしましょう。

特にウォーキングは万人におすすめ!

ウォーキング

肥満気味の人で、無理なく取り組める運動としてはウォーキングがおすすめです。

実はウォーキングというのは、消費カロリー量こそ多くはないものの、まんべんなく全身の筋肉を使うことができるため身体の代謝を高めることに役立ちます。

一時的に行うのではなく、何事も継続することが重要となります。毎日欠かさず運動することは、相当な覚悟や決意がないとできませんが、はじめは「週に2回」など自分でノルマを決めて、達成状況を確認していくといいでしょう。

肝心なことは、長い目で見て続けられそうな軽運動を選択し、続けていくことです。

肥満体型が改善されると、痛風の予防という観点からもとても有効ですが、他にも様々な生活習慣病を予防できることになるので一石二鳥です。

また、運動とあわせて痛風を予防する効果のあるサプリメントを使うことも、手軽に取り組めて長いスパンで継続できる可能性が高いのでおすすめです。

痛風には遺伝が関係するが生活習慣がカギ

痛風には遺伝的要因が影響力を持つことは間違いなくありますが、日頃の生活習慣によって痛風を予防・改善できる可能性は大いにあります。

身内に痛風の人がいたり、痛風に関わる遺伝子の変異を持っている場合でも、あきらめることはありません。

痛みで我を忘れてしまうと言われているほどの痛風です。家族に痛風患者がいたとしてもできる限り自分はならないように努めていきましょう。

食事や運動の習慣を見直し、サプリメントのような長く続けられるものを活用しながら自分でコントロールしていくことで、痛風になるリスクを最大限減らしていくことができます。

サプリメントの本質は食事習慣のサポートなので、健康効果でも多くのメリットが期待できるのでぜひ活用してみてくださいね。

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まりこ

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