痛風と痛み止めの関係

痛風発作の際は激痛に見舞われることになります。

歩けない状態になるほどの激しい痛みが生じる中、「痛み止めを飲みたい」と真っ先に思いますよね。

同時に、「痛み止めって勝手に飲んでもいいのかな・・・」「独断で痛み止めを飲んでも痛風は悪化しない?」と不安になることもあるでしょう。

今回は、痛風発作が起きたときに飲んでもいい薬と飲んではいけない薬について種類ごとに具体的にご紹介していきます。

  • 家にある市販薬の痛み止めを飲んでいいものなのか知りたい
  • 絶対に飲んではいけない痛み止め(バファリンなどのアスピリン系)を知りたい
  • 自分もしくは家族が痛風発作を発症したので今すぐに痛みを何とかしたい

こんな方は一読お願いします。

薬の作用についても正しい知識を身につけることができるよう整理していきますので、痛み止めを飲む前に確認しておきましょう。

痛風発作のときに飲んでもいい痛み止めの薬とは?

これらは飲んでOK!

  • ロキソニン
  • ボルタレン
  • イブA錠

痛み止めというものは、正しく表現すると「消炎鎮痛薬」といいます。

痛風では関節に炎症や痛みが生じているため、「消炎鎮痛薬」は症状を和らげるために有効です。

しかし、飲んでもいい痛み止めと、絶対に飲んではいけない痛み止めがあるため、この違いをよく理解する必要があります。

また、医療機関で適切な治療を受けることが最優先事項であり、痛み止めの服用はあくまでも応急処置として活用しましょう。

基本的に、痛風発作時には「イブプロフェン」を主な成分とする痛み止めは使用可能です。

ドラッグストアで扱う医薬品にもイブプロフェンを主成分とした医薬品はあり、手軽に購入することができます。

痛風発作時の応急処置として有効な痛み止め薬

イブプロフェンを主成分とした痛み止めの薬のなかで、薬局で置いていることが多いもの、家に常備薬で置いてあることが多いものをまとめました。

おすすめ順に見ていきましょう。

痛風に有効な痛み止め薬1:ロキソニン

ロキソニン

まず、応急処置として飲む痛み止めで最もおすすめしたいのが「ロキソニン」です。

痛み止めとしての認知度も高く、一般的によく知られた痛み止めですね。

また、病院でも頭痛や腰痛など様々な体の痛みをおさえるための鎮痛剤として広く処方しています。

ロキソニンはロキソプロフェンと呼ばれる成分を主としており、痛風を診ている専門病院でもロキソプロフェンが処方されることが多くあります。

ロキソニンは、病院でロキソプロフェンとして処方されることも多いですが、「ロキソニンS」として市販もされておりドラッグストアでも手に入ります。

そのため、常備薬として自宅に置いている人も多いことでしょう。

そのため、痛風の応急処置として即効性が期待でき、おすすめできる薬の第一位は「ロキソニンS」です。

後ほど紹介する痛み止めと比較しても、第1類医薬品に分類されていて専門病院でも使われているものはロキソニンしかなく、安心して痛風発作時には使用できると考えられます。

痛風発作時の痛み止めとしてロキソニンを用法通りに飲むと症状の緩和が期待できます。

痛風に限ったことではありませんが、体のどこかの痛みを抑えるという目的では、ロキソニンは即効性のある非常に優秀な医薬品であるといえますので、常備薬として家に用意してくと良いでしょう。

また、外で痛風発作が起きたときにすぐに対処できるように普段持ち歩いているバッグなどにも入れておくことをおすすめします。

痛風に有効な痛み止め薬2:ボルタレン

ボルタレン

ロキソニンと並んで病院で処方されることの多い薬としては「ボルタレン」があります。

一般的にボルタレンはロキソニンよりも強めの痛み止めとして知られています。

痛み止めとしての効果の大きさに伴い、ボルタレンはロキソニンと比べて副作用が強めに出る可能性があることも念頭においておきましょう。

ボルタレンは錠剤・貼り薬・座薬・ローションなど種類が豊富ですが、痛風発作に伴う痛みを抑えるために即効性の強いものは座薬であるといえるでしょう。

錠剤では痛風の痛みがおさまらなくても、座薬だと痛みが軽くなったというケースもあります。

効果の大きい座薬を用いるか、手軽に使える貼り薬やローションタイプを用いるかといった選択肢があるため、シチュエーションや痛みの強さに応じて薬の形態を選択できることは魅力の一つです。

応急処置として、家にボルタレンの貼り薬がある場合などは、痛風発作の部分によっては手軽に貼って使えるために有効です。

貼り薬の場合は錠剤と異なり、胃腸への負担を緩和するための胃薬の併用などを考慮しなくても良いので、自己判断で使う分には手軽であり、比較的安全に使えるという点でメリットがあります。

ただし、ロキソニンは市販の医薬品である「ロキソニンS」をドラッグストアで手軽に購入できるのに対し、ボルタレンは病院で発行される処方箋に基づいて処方してもらう必要があるので、いざ痛風発作が起こったときに自宅にボルタレンがなければ手に入れるのに時間と手間がかかってしまうといえます。

もし自宅にボルタレンがあれば、痛風発作を和らげるために用いる痛み止めとして視野に入れてみましょう。

痛風に有効な痛み止め薬3:イブA錠

ロキソニンと並んで市販の医薬品の中で、痛風発作時に有効な薬としては「イブA錠」が挙げられます。

その名前からも想像できるかもしれませんが、「イブプロフェン」を主成分とした医薬品となっています。

イブA錠に含まれるイブプロフェンは150mgとなっています。

痛風に有効な痛み止め薬4:イブA錠EX

%e3%82%a4%e3%83%96a%e9%8c%a0

「イブA錠」の他に、「イブA錠EX」という痛み止めもあります。

同じ製薬会社から出ている薬であり名前も似ていますが、実際に痛み止めに含まれる成分も同じになります。

大きく異なる点は、「イブA錠EX」はイブプロフェンを200mg含んでおり、150mgを含むイブA錠よりも多めであることがわかります。

鎮痛作用のあるイブプロフェンが多めに含まれていることから、痛み止めとしての効果はより一層期待できる可能性があります。

女性の場合は生理痛の緩和のためにイブA錠やイブA錠EXを常に携帯している方も多いですね。

もし仕事中などに痛風発作を起こしてしまって手元に痛み止めがない場合は、女性にお願いして痛み止めを分けてもらうとこのイブA錠をもらえるかもしれません。

ただし、他人からお薬をもらうのはあまりおすすめできないのでできれば避けるようにしてください。

また、他人から痛み止めを分けてもらう場合は、必ず薬を飲む前に飲んではいけない痛み止めではないかどうかを確認してから飲むようにしてくださいね。

痛風に有効な痛み止め薬5:エコルネ

堀井薬品から出ている「エコルネ」は、痛みをおさえるのに有効なイブプロフェンのみが有効成分となっています。

上述のロキソニンS・イブA錠に比べると認知度は低いかもしれませんが、有効成分としてイブプロフェンを含んでいながら、価格が手頃なのも魅力的です。

痛み止めで痛風の痛みが治まったらすぐ病院へ

ここまで痛風発作の歳の応急処置としておすすめできる痛み止めをいくつかご紹介しました。

実際の病院で行う投薬では、痛風発作の極期(激痛が生じているとき)には、短期間に薬を大量投与する「NSAIDsパルス療法」がおこなわれます。

NSAIDsとは「非ステロイド性抗炎症薬」を意味し、ロキソニンやイブA錠もNSAIDsに含まれます。

炎症をおさえることで有名な薬としては「ステロイド」がありますが、ステロイドを除く抗炎症薬をNSAIDsといいます。

パルス療法で行うような大量投与は、必ず医師の判断の下で副作用が出ないか確認しながら行う必要があります。

さらに、薬の量だけでなく投与の時期や間隔なども医師が判断し、コントロールしていく必要があります。

自分で痛み止めを飲む際はきちんと用量・用法を守り、あくまでも応急処置として位置付けるようにしましょう。

痛風発作のときに飲んではいけない痛み止め薬とは?

これらは飲んだらダメ!絶対NG!

  • バファリン
  • ケロリン
  • エキセドリンA

大前提として、「アスピリン」と呼ばれる成分が入った薬は痛風患者にとって禁忌となるため、絶対に飲まないようにしてください。

アスピリンの正式名称は「アセチルサリチル酸」と呼ばれる成分であり、解熱鎮痛剤や抗血栓薬として処方されることが多いです。

痛風の人が注意すべきアスピリンを含む医薬品と、なぜ痛風患者がアスピリンを痛め止めとして使ってはいけないのか、その理由をご紹介していきます。

痛風時に使えない痛み止め:代表格「バファリン」アスピリンを含む市販薬とは?

痛風にバファリンはNG

アスピリンを含んでいる有名な市販薬としては、「バファリン」が挙げられます。

バファリンに含まれるアスピリンは、鎮痛作用もあり痛み止めとしては有効な成分ではありますが、痛風の方の使用は禁忌となります。

アスピリンの作用として、少量の投与でも血清中の尿酸値を軽度に増加させてしまう作用があるため、痛風の方の使用は絶対に行わないようにしましょう。

アスピリンを含む薬で最も認知度が高い薬はバファリンですが、他にも内外薬品株式会社から出ている「ケロリン」が挙げられます。

%e7%97%9b%e9%a2%a8%e3%81%ab%e3%82%b1%e3%83%ad%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%81%afng

ケロリンも一般的な頭痛・歯痛・咽喉痛など体のあちこちの痛みを抑えるためには有効ですが、成分にアスピリンを含むために痛風の方はケロリンを使用することができません。

一般的に「アスピリンは尿酸値を増加させるために、痛風患者では使えない」というように認識されていることが多い傾向にありますが、実はアスピリンの作用は投与する量によって異なります。

いずれにせよ、アスピリンは尿酸値の変動をもたらすために痛風患者には禁忌となります。

ドラッグストアの医薬品コーナーなどで、「痛み止め」や「鎮痛剤」という記載をパッケージの中に見つけても、箱の裏側や側面に書かれている成分までしっかり確認してみることが望ましいです。

もし痛み止めの成分の中に「アスピリン(アセチルサリチル酸)」が含まれていれば、使用は絶対に避けるようにしましょう。

痛み止め成分のアスピリンと尿酸値・痛風の関係

アスピリンは、少量の投与であれば血清中の尿酸値を増加させる作用があります。

しかし、アスピリンを大量に投与した場合は逆に血清尿酸値を低下させると考えられています。

印象としては、「尿酸値が下がるならいいのでは?」と思われるかもしれませんが、痛風発作中に尿酸値を急激に低下させると、痛風の原因となる尿酸結晶が析出したり、関節内にはがれ落ちたりすることがあります。

急激な尿酸値の低下によって尿酸結晶が析出することによって、関節内にさらなる尿酸の結晶が沈着することにつながり、結果として痛風発作の症状が悪化する恐れがあります。

アスピリンの使用に関する情報としては、「尿酸値を上げてしまうので控えた方がいい」という記述を目にすることが多いです。

しかし、実際のところはアスピリンの摂取量が増えたときに尿酸値が下がっていくことの方に危険性があるといえます。

アスピリンはどのくらいの量を投与するかによって生じる作用・反応が異なるといえますが、実際に痛み止めとしての効力が得られる程度のアスピリンを摂取すると、尿酸値は低下する方向に向かっていきます。

そのように尿酸値の急激な低下に起因して痛風発作をさらに悪化させ、痛風発作を長引かせる危険性があるために注意が必要となります。

上記の通り、アスピリンの作用は摂取する量によっても尿酸値を増加させたり、減少させたりと異なります。

いずれにせよアスピリンは尿酸値を変動させ、痛風発作に悪影響を及ぼすということには間違いありません。痛み止めを使用する際は十分に注意しましょう。

痛風治療ガイドラインによる尿酸値を下げるタイミングとは?

痛風治療のガイドライン

実際に医療現場で用いられる痛風の治療ガイドラインでも、痛風発作中には尿酸降下剤(=尿酸値を下げる薬)は用いないことがスタンダードになっています。

「尿酸降下剤を発作中には用いない」という医療現場での基準から考えても、むやみに尿酸値を下げることは好ましくないとわかります。

実際の治療では、再発作の危険性を下げるために尿酸降下剤を投与するタイミングや量を考慮しながら、少量の尿酸降下剤での治療を行っていきます。

痛風治療の基本として、尿酸値を適切な方法・タイミングでコントロールしていくことが重要となります。

それゆえ、個人の判断でアスピリン系の薬を飲み、急激に尿酸値を下げてしまうことは痛風の治療にとって致命的となります。痛み止めを使う際は、アスピリン(アセチルサリチル酸)が成分に含まれていないか、十分に気をつけるようにしましょう。

痛風の痛みがひどいときでも「痛み止め」の薬を一度にたくさん飲むのはNG!

痛み止めを飲むと痛風発作の痛みの緩和が期待できますが、痛風発作で生じる痛みは非常に強烈であり、痛みが完全に消えるということにはならないでしょう。

痛み止めが効かない、薬の効果が弱いと感じるとき、「追加で痛み止めを飲んでもいいかな?」と感じることもあるはずです。

結論から言えば答えはノーであり、痛み止めを大量に飲むことは決してしないでください。その理由をご説明していきます。

用法・用量を超えて痛み止めを使ってはいけない理由 その1:たくさん飲んでも痛風の痛み抑制効果は大きくならない

痛み止めをたくさん飲んでも、薬の効果が大きくなることはありません。主観的には「たくさん飲めば、そのぶん強く効く」という感じがしますが、決してそのようなことはありません!

当然ですが、痛み止めを作る製薬会社も、むやみに薬の量を決めているのではなく、きちんとしたデータや試行錯誤に基づいて規定の用量を決定しています。

痛み止めを使用するときはたくさん飲んでも効果が上がるわけではないため、必ず記載されている用法・用量を守りましょう。

医師や薬剤師の指示がある場合は、それに沿って服薬するようにしてください。

用法・用量を超えて痛み止めを使ってはいけない理由 その2:痛み止めを大量に飲むと消化器へ負担となる

痛み止めは胃腸に負担をかける

痛み止めをたくさん飲めば、痛風が治るどころか別の問題を引き起こす恐れがあります。

基本的に医薬品は体の中で溶けていく際に、胃や腸のような消化管の粘膜に刺激を与えます。

病院で強めの薬を処方されたときは、胃薬も一緒に飲むように指示されることがありますが、これは胃腸の粘膜を保護するための対応となります。

痛み止めを過剰に摂取してしまうと、胃や小腸で潰瘍ができるなどのトラブルが発生するリスクがあります。

もともと痛み止めの薬自体の副作用として、胃部不快感・腹痛・食欲不振・嘔吐などが挙げられていることが多く、消化管を中心として体への影響が大きいことがわかります。

痛み止めを過剰に摂取すると、それらの副作用の症状がますます強い反応として現れる危険性があるので、絶対に避けるようにしましょう。

痛風時には違う痛み止め薬を併用しないこと!

ある一つの薬であれば用法・用量通りに使用すれば良いですが、複数の痛み止めを組み合わせて飲む場合はどうなるのでしょうか。

例えば、痛風発作の応急処置に使える痛み止めの薬として、「ロキソニン」と「ボルタレン」を併用することはできないか?と考える人もいるかもしれません。

痛風では激痛に見舞われるため、そう考えるのも無理もないことに思います。

結論から言うと、2つ以上の医薬品を独断で併用することは避けた方がいいです。

痛み止めはそれぞれの薬でどのような副作用があるか表記されていますが、2つ以上を組み合わせると予期せぬ副作用が生じる危険性があります。

病院では医師や薬剤師が飲み合わせなどをしっかりと考えて薬を処方しますが、独断で複数の薬を合わせて飲むことは避けることが望ましいです。

痛風発作の応急処置として痛み止めを飲むのであれば、効果のあるとされるものを一つに絞り、選択した薬を規定の用法・用量に従って服薬することをおすすめします。

痛み止めの薬を飲む際の注意点

上述の通り、痛み止めを大量に飲んでも効果が上がらない上に、副作用を強め消化管を傷つけてしまうのであれば、デメリットしかないことになります。

痛み止めはあくまで応急処置として用い、一度に大量に飲むことは絶対にしないようにしましょう。また、複数の種類の痛み止めは併用しないようにしましょう。

痛風のとき痛み止めの飲み合わせに注意が必要な人

痛風発作が起きた際の応急処置として、種類に気をつければ痛み止めが有効であると先に述べました。

しかし、基礎疾患として別の病気がある場合や、すでに別の医薬品を服薬している場合は要注意です。

痛風患者が飲んでも良いとされる痛み止めをせっかく調べて使用しても、もともとある基礎疾患に重大な影響を及ぼす恐れがあるので、注意するようにしましょう。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病1:喘息

病院や薬局で処方されるほとんどの解熱鎮痛薬はNSAIDsと呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬に該当します。

成人で喘息をお持ちの方のうち、約10%はNSAIDsに対する過敏性があり、喘息の症状を引き起こすとされています。

このように解熱鎮痛薬によって喘息症状が出る場合、「アスピリン喘息」と呼びます。正しくは、NSAIDs過敏喘息と呼ばれています。

「アスピリン喘息」という疾患名からイメージすると、「アスピリンさえ飲まなければ大丈夫!」「痛風で使ってもいいロキソニンなら問題ない」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。

アスピリン喘息という名前がついていても、アスピリンに限らず鎮痛薬全般に過敏な状態を指しています。

そのため、痛風発作の応急処置として有効な非アスピリンの医薬品であるロキソニンを使用したとしても、アスピリン喘息が引き起こされる可能性があるのです。

喘息発作が引き起こされると、場合によっては生命の危険を伴う非常に強い喘息発作が生じる恐れがあります。

喘息を基礎疾患としてお持ちの方が、痛風発作を引き起こし、さらに痛み止めによって喘息発作まで起こってしまっては、想像を絶するような苦しい状態に陥ってしまうことでしょう。

アスピリン喘息は、大人の喘息患者で、かつ20歳以降に喘息を発症した患者や、重症な喘息患者にみられる傾向があります。

喘息に長く罹っている方で、医薬品に対する過敏反応が生じることが自覚できている方であれば、むやみな痛み止めの使用を自主的に控えることができるでしょう。

喘息を発症してから間もなく、喘息発症後の痛み止めの服用経験があまりない方などは特に注意し、痛風発作が起きた際の痛み止めの使用に関しては主治医の指示を受けるようにしてください。

万が一、喘息の方で痛み止めに過敏性のある人が手持ちの痛み止めを飲んでしまった場合、内服から1時間以内に喘息や鼻汁などの症状が現れます。

より重症となると強い喘息発作や顔面の紅潮、下痢や腹痛などが引き起こされます。

この反応は数時間~半日続くとされていますが、何か症状が出た際は速やかに医療機関を受診しましょう。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病2:慢性蕁麻疹

慢性蕁麻疹の場合は痛み止めを飲まない

慢性蕁麻疹がある方のうち、約20~30%の方にNSAIDs過敏蕁麻疹が生じるとされています。

痛み止めを使用してから数風~半日で、かゆみを伴った蕁麻疹が生じる反応や、まぶたや顔が膨らむといった反応が起こることがあります。

唇や顔がパンパンに膨れあがることもあり、蕁麻疹ができた場所はかゆみも生じるため非常に辛い状態となります。

痛風発作に伴う痛みに、さらにかゆみや腫れが生じてしまっては大変な目にあうことになります。

過去に痛み止めなどの医薬品で蕁麻疹が出たことのある方は、痛風発作時の応急処置としての痛み止め使用には慎重になるようにしましょう。

主治医に相談してから判断することが望ましいです。万一、痛風発作時に痛み止めを使用して蕁麻疹の症状が出たら、速やかに医療機関へ行き指示を仰ぎましょう。

痛み止めによって痛風発作の痛みが少し和らいでも、もともと持っている病気の症状が強く出てしまっては、結果的に辛さからは解放されません。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病3:消化性潰瘍

NSAIDsは、副作用として胃や腸といった消化管の粘膜に負担を与え、潰瘍を作るリスクがあるとされています。

そのため、消化性潰瘍の患者はNSAIDsに分類される薬を使うことができません。医療機関での対応としては、空腹時の使用を避けできれば坐剤を用いること、できるだけ消化器への負担が小さい薬を選択することが挙げられます。

消化器に疾患を抱える人は、消化管への負担を考慮して、痛み止めの使用は主治医と相談する必要があります。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病4:肝障害・腎障害

ロキソニンなどの痛み止めには、副作用として肝機能の障害が生じると報告されています。

もともと肝障害をお持ちの方は、痛み止めの副作用によって肝障害が憎悪する可能性があるため、痛風発作時に痛み止めは使用しないようにしましょう。

また、腎障害についても同様であり、副作用として急性腎不全などを引き起こす可能性があるため、基礎疾患として腎障害がある方は要注意です。

肝機能・腎機能に障害がある場合は、痛風発作が生じた際、必ず医師の指示に従って行動することをおすすめします。特に重症な肝障害・腎障害がある場合は注意をしてください。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病5:心機能不全

ロキソニンを含む痛み止めの薬には、体の中を循環する体液量の増加を引き起こすことが知られています。

そのため、全身に体液を循環させる必要があり、心臓がたくさん仕事をしなければならなくなります。

そうすると、心臓へ負担がかかり、もともとあった心疾患が悪化する恐れがあります。

心機能に何らかのトラブルを抱えている人は、痛風発作時の痛み止め使用も控えることが望ましいです。

痛み止め使用前に医師に確認すべき持病6:妊娠中または妊娠の可能性がある方

妊娠中は痛み止めを避ける

痛風は男性に圧倒的に多い病気ですが、女性でも痛風になることがあります。

女性の場合、痛風発作時の痛み止めの使用には、妊娠しているかどうかを考慮する必要があります。妊娠中の方は痛み止めの使用を控える方がベターでしょう。

また、上記以外の疾患・状態でも、現在医療機関で治療中である、服薬中のお薬がある場合などは、その疾患の特性や薬の飲み合わせの問題もあるために注意が必要です。

可能であれば痛風発作が生じてから速やかに医療機関を受診し、主治医の指示を仰いでから適切な痛み止めを使用することが望ましいです。

痛み止め以外の痛風の痛みへの対処法・応急処置は?

痛みを抑えるためにはすぐに「痛み止め!」という発想になりがちですが、薬の力を借りるという方法の他にも、いくつか自分で取り組める対処法があります。

痛み止めによる応急処置と合わせて実践すると非常に効果が期待できることでしょう。痛風発作時に使える対処法をいくつかご紹介していきます。

痛風の痛みへの対処その1:安静にする

痛風発作が起きたときは、非常に強い足の痛みが生じるために歩けない状態となります。

それゆえ、安静にするしかないのが実際のところですが、痛風発作では関節に急性の炎症が起こっているために安静にすることは基本となります。

痛み止めの効果や、痛風発作のピークが過ぎたことによって少し痛みが和らいでも、必要以上に歩き回り患部(多くは足の親指・足首など)に体重をかけないように配慮し、できるだけ体へ負担をかけないようにしましょう。

痛風の痛みへの対処その2:痛風発作の起こっている部分を冷やす

患部を冷やす

痛風発作が起きた関節を冷やすということは、手軽に行える割に効果の期待できる対処法です。

痛み止めで少し痛みが和らいだら、保冷剤などをタオルで包んで患部に当ててみましょう。

家族の支援が受けられる場合は、濡れたタオルを随時交換しながら熱を取ることも有効です。

また、痛風では「風が当たっただけでも痛い」というように、ほんのわずかな擦れや刺激でも痛みが生じることがあるほど、刺激に敏感な状態になっています。

痛風発作のピークでは、タオルなどを当てて冷やす際もできるだけ刺激にならないようにそっと当てるように工夫しましょう。

痛風発作では関節に炎症が生じた状態となりますが、炎症が起きているところは冷やすというのは鉄則となります。痛

みを軽減させるために、まずは痛風発作が起こったら冷やすということは必ず行ってください。

痛風の痛みへの対処その3:患部は高いところへ置く

患部を高くして血流量を下げる

痛風発作の起こっている部位は、できるだけ高い位置におくようにしましょう。

例えば、ベッドで安静にしているときに、丸めた布団やクッションなどで高さをつくり、その上に患部である足を乗せるといったイメージです。

仰向けになった状態で足を高い位置にキープできる方法であればどのような方法でも構わないので、机などに足を乗せられる環境であればそれも有効でしょう。

とにかくポイントとなるのは、痛風発作の起きている部分を心臓よりも高い位置に置くということであり、そうすることで静脈に血液がうっ血することを防ぎます。

炎症の起きている足を高い位置に置くだけで、楽になったと感じることができるでしょう。

痛み止め使用よりも…最も重要なことは医療機関で少しでも早く適切な治療を受けること!

 
今回は痛風発作時の痛み止めをテーマに、飲んでもいい痛み止めと、絶対に飲んではいけない痛み止めについてご紹介しました。

また、痛み止めを飲む際の注意事項についてもいくつかポイントとなる点をご説明しました。

自分でできる対処法として、痛み止めを飲むことはもちろん可能であり、ほかにも痛風発作の起こっている部分を冷やすなど、様々なものが挙げられます。

しかし、最も重要なことは医療機関で適切な治療を受けることです。

どういった病院を受診すればいいのかは以下のページが参考になります。

痛風発作では、薬物での治療が基本となりますが、尿酸値をいかにしてコントロールするかがポイントとなります。実際の痛風の治療ガイドラインでも、尿酸降下剤を用いるタイミングやその使用量について取り決められており、単純に尿酸値を下げていけばいいというわけではありません。

痛風発作中に尿酸値を急激に下げてしまうと、治るどころか逆に再発を繰り返しやすくなります。

そのようにして、初期対応を誤ると以降も症状が悪化していくリスクがあるために、「自分でできる痛みの対処には限界がある」ということは常に念頭に置いておきましょう。

また、二度とこのような痛みを発症しないためにも食事習慣のコントロールで尿酸値を常に正常値内にあるように努めるのがベストです。

医療機関での治療は対処療法となります。「痛みが出た→病院に行く」という事をこの先もずっと繰り返さないためにも、痛風発作自体が起きないような生活習慣を作る努力が何よりも重要です。

どうしても忙しくて食事や生活習慣を改善するのが困難だという場合は、サプリメントなどでサポートするのが最も効率が良く痛風と向き合っていく方法です。

近年は非常に優秀なサプリメントがありますので、早いうちから使い始めることをおすすめします。