一年に一回の健康診断で尿酸値の値が高いと判定され、そこで初めて「尿酸値」や「痛風」を意識する方も多いです。
身近で痛風になった経験のある方がいれば、なおさら意識が高まることでしょう。
痛風は発症すると完治するまでに長い年月を要し、痛みを伴う発作が繰り返し起こるなど、非常に辛い病気です。
尿酸値が気になる方は、生活習慣を改めると同時に、いざ痛風を発症して初期症状が出たときに慌てることのないよう、今から知識を身につけておきましょう。
痛風は初期症状が出たあとの対応が非常に重要となる病気です。
尿酸値が気になる方は今回ご紹介する痛風の初期症状を頭に入れ、いざというときすぐに応急処置を行えるように、自分でもある程度対処できる状態に準備しておくことをおすすめします。
このページを読んでいただくことで、痛風の初期の痛みはどのようなものなのか詳しくわかるようになり、またその対処方法、痛風発作が起きやすい時間までしっかりと理解することができます。
- 尿酸値が高いためこれからいつ痛風の症状が表れてもおかしくないと不安になっている
- 痛風の症状が出たときにどうしたらいいのかわからずパニックになりたくない
- 家族に痛風が発症したときに間違った対処をして後悔したくない
こんな悩みを持っている方にはぜひ一度時間を作って読んでみてもらいたい内容です。ぜひ参考にしてみてください。
痛風の一番最初の始まりは?初期症状の詳細
まずは痛風の初期に起こる痛みの症状について順を追って詳しく解説していきます。
痛風と思われる痛みの症状が出た場合はチェックしてみてください。
痛風の初期症状1:急性関節炎(痛風発作)
痛風の初期症状として、最も顕著なものとしては痛風発作が挙げられます。
痛風発作では、突然ある関節が激しい痛みにおそわれます。これは、急性に関節に炎症が生じた状態であり急性関節炎といわれる状態ですが、痛風においては「痛風発作」と呼びます。
痛風の関節炎が生じる部位は、約70%が下半身といわれ、その部位は足首・くるぶし・足の指の付け根などが挙げられます。
また、足首よりも末端部に生じる確率は90%とされています。
痛風発作が最も起きやすい身体の部位は、「足の親指の付け根」とされています。
正確な医学用語で表すと、足の親指の付け根は「第一中足趾節関節」といいます。
このように、足の親指の関節に炎症が起こり、親指の関節が炎症を起こしてぼっこりと腫れてしまうのが典型的な痛風の特徴です。
また、一般的に片足の親指の付け根に炎症が生じることが一般的で、両足が同時に痛くなるといったように、複数の関節に症状が出ることはまずありません。
右足だけ、あるいは左足だけといったように、ある一つの関節に炎症が起こる状態を「単関節炎」と呼びます。
この単関節炎という特徴は、初めての痛風発作に特徴的な点です。痛風では、左右どちらかの足の親指に炎症が生じてしまいます。
このように両足に同時に症状が出ない状態は「非対称性」の症状となり、痛風におけるいくつかの診断基準の一つに該当します。
足の親指のほかにも、足首やくるぶしのような足まわりの部分や、手首・小指・指の関節に関節炎が生じるケースもあります。
しかし、初期症状としてそれらの場所に発作が起きることは少ないです。
多くの場合は、どちらかの足の親指の付け根に突然炎症が生じることが特徴的です。
突然、左右どちらかの足の親指がぼっこりと腫れて、激しい痛みを感じるようであれば、痛風の初期症状であることを疑いましょう。
足の親指がぼっこり腫れるという状態は、わかりやすい症状であるために、その知識さえあればすぐに痛風の可能性を考えた行動をとることができるでしょう。
痛風の初期症状2:激しい疼痛
「足の親指の炎症」とだけ聞くと、いったいどんな痛みが生じるのか言葉だけではなかなか想像がつかないと思います。
足の親指は体の中でも小さいパーツであることから、「痛いといっても程度が知れているのでは?」と思う方もいることでしょう。
しかし、尿管結石などの例を参照するとなぜ痛みが生じるのかイメージがわきやすいです。
尿管結石の場合、尿管のなかに極めて小さい数ミリ程度の石ができてしまっただけでも、かなりの激痛が走ります。
それと同様に痛風では関節に尿酸の結晶ができている状態であるがゆえに、親指などの小さな関節でも痛みが生じ、対象となる関節や部位が小さければ痛みも小さいというわけではありません。
痛風患者が、足の親指付け根の関節に炎症を起こした状態では、非常に強烈な痛みを伴います。
まさしく「激痛」といえるでしょう。
そもそも、痛風という病名の由来は、「風に吹かれただけでも痛い」という症状が基盤にあります。
夜間に初回の発作が起きたときには、布団が擦れただけでも激痛が走るので、その痛みの強さに驚くことでしょう。
痛風の関節炎によって生じる痛みは、骨折したときの痛みよりも強いといわれており、非常に強い痛みであることがわかります。
その何とも比べられないような強烈な痛みは、次のような言葉で表現されることがあります。
- 傷口にキリが差し込まれ、もみたてられるようなキリキリする痛さ
- 溶けた鉛が注ぎ込まれていくような痛み
- 足の指をペンチで挟み、締め上げられたような痛さ
上記の言葉からも、痛風の方が激しい痛みに悩まされた経験が見て取れます。
発作が起きている間は激しい痛みが生じているために、歩けない状態となります。
歩くときに炎症が起こっている足の指やつま先、足首など足まわりに体重がかかると、激痛が走るため歩くとしても松葉杖を使って歩く必要があります。
身動きが思うようにとれないことから生活面への影響もかなり大きくなります。
また、行動の自由度が制限され、激しい痛みの中で日々を過ごすために、精神的にも苦痛に感じる人が多いでしょう。
もちろん、それほど激しい痛みの中では仕事も休まなければならなくなるため、社会的にも影響があるといえるでしょう。
痛風の初期症状3:関節の腫れ・発赤
痛風発作では、関節が炎症を起こしている状態であるため、炎症に伴い、関節の腫脹や発赤、発熱も認められます。
炎症には4大徴候と呼ばれる4つの症状があり、先にご紹介した疼痛と合わせて、腫脹・発赤・発熱がその4つに該当します。
それぞれの意味は下記をご参照ください。
- 腫脹(しゅちょう)
- 患部が腫れ上がること。通常よりも膨張したような状態。
- 発赤(ほっせき)
- 皮膚が赤くはれ上がった状態。痛風の場合は、てかてかと光を持った発赤であることが特徴的です。
- 発熱(はつねつ)
- 患部が熱を帯びて、熱くなります。時には免疫系の働いた結果として、全身の体温が上がり、「熱っぽい」と感じることがあります。
実際に炎症を起こしている範囲の周囲も含めて大きく発赤することも特徴の一つです。
ぼっこりと足の指が腫れてしまい、非常に痛々しい光景となります。
上記の症状があり、さらに膿が出ていない状態であれば、典型的な痛風発作と認められます。
なぜ痛風はそれほど激しい痛みが初期症状で生じるのか?
痛風は「痛い」という漢字を含めて名付けられるほど、強烈な痛みを伴います。
初期症状として激痛が現れた際は、その痛みの強さに驚くことでしょう。
どうしてそれほどまでに強い痛みが生じるのでしょうか?それには医学的に理由があります。
痛風で痛みの生じるメカニズムとは?
痛風に罹ったときに痛みが生じるメカニズムとして、痛風で尿酸結晶が析出して関節内に結晶が沈着すると、その結晶は体に「異物」としてみなされます。
体の中に異物が入り込むと、体を守るための自然な反応として、白血球が異物を攻撃します。
本来、白血球による作用は免疫機構として重要な働きではありますが、異物とみなした尿酸の結晶を攻撃することで強い炎症につながります。
そうして攻撃を続ける中で、激しい痛みが生じます。例として、尿管結石についても同様であり、尿管の中にできた石を体が「異物」とみなして攻撃することから激しく痛みが生じます。
このように、実際に物質が沈着してその摩擦で痛みが生じるというよりは、白血球の作用の結果として激しく炎症を起こし、痛みが出ることにつながります。
このように生体の免疫機構として、異物と判断したものに対しては徹底的に白血球が攻撃をするということはしばしば起こります。
他の例としては、皮膚を移植する際に、移植した皮膚がすぐに拒絶され、剥がれてしまうといったことが挙げられます。
痛風においても、沈着した結晶が「徹底的に攻撃されている」というイメージです。
できるだけ痛風になったときの強烈な痛みは経験したくないため、日頃から痛風にならないように食事・運動などの生活習慣には気を配る必要がありますね。
痛風の初期症状はいつ起こるの?
典型的な痛風発作は夜間に起こる
初回の痛風発作は夜間の睡眠中に起こることが多いです。夜寝ているときに、急に激痛が走り、目が覚めることが典型的な痛風発作ではよく起こります。
痛みで目が覚めるものの、あまりの激痛に足をつくこともできないような状態になります。
骨折を超える痛みが生じている段階であるため、当然身動きがとれない状態となります。
初回の発作のときは、夜に突然足の親指が痛み出して、焦ってしまうでしょう。
まして、家族が近くにおらずヘルプのサインを出せない場合は、なおさら不安に感じてしまうでしょう。
あまりの痛さにどうすることもできず、中にはパニックになってしまう人もいます。
痛風の痛みのピークは半日程度でやってくる
痛みが発生してから、痛みのピークがくるまでにだいたい半日~1日程度所要します。
非常に強い関節炎が生じ、真っ赤に腫れ上がりますが、ピークは比較的短時間でやってきます。
激痛に耐える必要があり、仕事へも行けない状態となり、発作が落ち着くまでは医療機関を受診して安静にする必要があります。
痛風の初期症状はいつまで続くの?
初期症状として起こる痛風発作は、数時間から1日以内にピークに達し、通常7~10日程度続きます。
初期の痛風発作がおさまったあとは、半年~2年に一度程度の頻度で痛風発作が生じるようになります。
発作と発作の間の期間は「間欠期」と呼ばれ、間欠期において症状は全く生じないため、それまでと同じように社会生活が送れます。
症状が落ち着くと一見治ったかのように思えるために、一時的に生じた痛みとしてなんとか耐えて医療機関を受診しないケースもあります。
しかし、痛風の場合は間欠期の症状が出ない期間にも尿酸値は高い値で推移したままであり、初期の対応を誤るとどんどん悪化していく恐れがあり大変危険です。
初期症状があった際には、痛みになんとか耐えて乗り切るのではなく、必ず医療機関で尿酸値のコントロールに対する治療や生活指導を受ける必要があります。
痛風は初期症状がおさまると再発するの?
痛風の2年以内の再発率は78%と高率
アメリカのウォルトマンらによる2005年の報告では、痛風発作の再発が初めての発作から2年以内に起こる確率が78%、1年以内に起こる確率が62%と報告しています。つまり、半数以上の人が1~2年に痛風発作を再発することを意味しています。
初めての痛風発作から、10年以上再発しなかった痛風患者は7%とごく一部の人に限られています。
激しい痛みを伴う痛風発作は、できれば何度も経験したくはありませんが、疾患の特徴からやむを得ない部分はあります。できるだけ再発の確率を下げ、頻度を少なくできるように治療に専念しましょう。
痛風の初期症状の放置は頻回の再発につながる
初期症状が生じた段階で尿酸値が高いまま放っておくと、痛風発作の再発を繰り返すようになってしまう確率が高くなります。
さらに、痛風発作の起きる間隔が短くなり、頻度が増えることから、激しい痛みに度々苦しむことになります。
そのため、痛風の初期症状が生じた際の対応、そして痛風と診断されてからの対応が非常に重要となり、誘因となる尿酸値の高さをいかに低い水準でキープするかが重要となります。
一般的に再発を繰り返すとされている痛風ですが、初期対応としてきちんとした治療をしなければ、尿酸値を適切にコントロールできずに症状が憎悪していきます。
初期症状が出た段階で放っておくと、再発の間隔が短くなり生活や仕事に大きく影響を及ぼすため、きちんと医療機関を受診して尿酸値をコントロールしていきましょう。
痛風の初期発作時には尿酸値はかなり高くなっている?
痛風と尿酸値の関係については、ご存知の方も多いと思います。尿酸値が高くなると、尿酸の結晶が析出しやすくなり、痛風の引き金となります。
痛風を発症し、初期症状が出る段階にあっては、尿酸値は相当高くなっているのでしょうか?
もちろん、尿酸値の高さは痛風の根本的な原因となりますが、初期症状として発作が出ている際の尿酸値はケースバイケースとなります。
痛風の初期発作時には尿酸値が高くない場合も多い
初期症状が現れるときに痛風発作が起こった際は、尿酸値もかなり高い値を示しているという印象を持ちますが、実はそうではないことも多いのです。
もちろん、尿酸値が高いほど痛風発作は起こりやすいですが、尿酸値が正常であるにもかかわらず、痛風の発作が起きることがあります。
痛風の研究でも尿酸値が低くなる例が報告されている
臨床的にも、痛風発作時に尿酸値が高くない方に遭遇することも多いですが、研究報告でもそのことが明らかにされています。
痛風発作時に尿酸値が高くない患者がいるという事実は、1987年にキャンピオンいう研究者が報告しました。キャンピオンが報告した研究に協力した患者の中で、23例で正常な尿酸値が検出されたにも関わらず、痛風の発作が起こっていることがわかりました。
痛風発作が起こっているのに尿酸値が正常となる理由
尿酸値が正常であるのに、痛風発作が起こる理由としては大きく2つに分けられます。
痛風なのに尿酸値が正常な理由その1:関節の炎症が強い場合
痛風によって関節炎が起きている関節の中では、関節の中に沈着してしまった尿酸の結晶を、白血球が異物とみなして攻撃しています。
そのために炎症が起こるのですが、このときに出てくる成分が、尿酸値を下げるという考え方があります。
尿酸の結晶を攻撃するときに、サイトカインと呼ばれる免疫に関する情報伝達を行うタンパク質が登場します。
この、サイトカインというタンパク質は、数百種類も発見されています。サイトカインの中の、「インターロイキン–6」と呼ばれる免疫の調節に関わるタンパク質が、尿酸値を低下させると考えられています。
すなわち、炎症の程度が強いと、免疫に関するたくさんのタンパク質が放出されますが、その中の「インターロイキン–6」が尿酸値を下げた結果として、痛風発作時に尿酸値が低くなったように見えるという状態になります。
もちろん、痛風にかかる人の尿酸値は高い値を示すため、炎症が起こった結果として一時的に尿酸値が低下することがあるという位置付けとなるでしょう。
そのため、「痛風発作が起きたときに尿酸値もそれほど高くなかったからもう大丈夫!」と考えることは禁物です。
あくまでも一時的な体の変化であり、ベースの尿酸値はすぐに下げることができないので、日常生活や食生活に気を配りながら治療に取り組む必要があります。
痛風なのに尿酸値が正常な理由その2:尿酸降下剤による治療をしている場合
もう一つ、痛風発作時に尿酸値が正常となる背景として考えられることがあります。
それは、尿酸降下剤、すなわち薬による治療をすでに始めている人には起こりうるということです。
この理由は、まだ薬での治療を始めていない方で、初期症状として発作が生じた場合には関係がないことですが、関連した情報としてご紹介します。
過去に痛風にかかったことがあり、尿酸降下剤という薬の投与をはじめると、しばらくの間は関節炎が生じやすくなります。
「尿酸効果剤を使って治療しているのに、なぜ関節炎が起きるの?」と思われる方もいることでしょう。
尿酸降下剤を使うと、その作用として関節の中を満たしている関節液中の尿酸濃度が低下します。
そのため、すでに関節軟骨に沈着した尿酸の結晶が、関節液の中に溶け出すようになります。
これは化学反応のようなイメージの生体反応で、塩なども塩分濃度の少ない水によく溶けることと同じです。
関節液中の尿酸濃度が下がったので、その部分に結晶を溶かすことのできる余地が生まれたといえるでしょう。
そのようにして結晶が溶けていく過程で、結晶そのものが関節軟骨から関節液の中にポロッと剥がれ落ちて、落ちた結晶を白血球が再び異物とみなして攻撃するといった流れが起きやすいです。
白血球が攻撃をはじめると、また激しい炎症・疼痛が生じるようになります。
このように、薬による治療中で尿酸値が正常であっても、薬の作用によって溶け出した尿酸の結晶が剥がれ落ちることによって発作が起こることがあります。
ご紹介した上記2つのメカニズムから、実際に痛風発作が起こったときには、尿酸値は正常値を示す可能性があります。
そのため、発作に至るまでの尿酸値の高さが問題となるといえます。
しかし、尿酸値が正常であったとしてもそれは一時的な反応の結果であるため、一喜一憂せずにきちんと症状や治療と向き合っていきましょう。
痛風の初期症状が出たら対処として何をすればよいのか?
痛風の初期症状が出てしまうとやはり正常な心理状態ではいられませんよね。
これから激しい痛みが来る(もしくは今現在痛みに悩まされている)としたら、すぐにでもなんとかしたいと考えるのは当然です。
ここでは初期症状に対する応急処置としてすべきことを4つ紹介します。
痛風の初期の対処その1:安静にする
初期症状として痛風発作が起きたときには激しい足の痛みが伴い、歩けない状態となるために「安静にせざるを得ない」という状況であるといえます。
痛みのピークが過ぎても歩き回ったりせずに、できるだけじっとしているようにしましょう。
特に、立ったり、歩いたりなど、患部である足まわりに体重がかかるようにしないように気をつけましょう。
痛風発作では、関節が炎症を起こしている状態なので、関節に負荷がかかるようなことはしないというのが大原則となります。
水分の補給などでどうしても動かなければならないときは、できれば家族に手伝ってもらうなどして対処しましょう。
痛風の初期の対処その2:炎症の起きている部分を冷やす
痛風を発症したら、関節の中で炎症が起きている状態なので、濡れた冷たいタオルや、保冷剤などをタオルにくるんだ状態でできるだけ冷やすようにしましょう。
患部は炎症の結果として発熱している状態なので、熱をとって楽にしましょう。
炎症が起こっていたら冷やすというのは、どの病気に関しても共通して有効な対処方法であるとされていますが、痛風においても同様に有効に作用します。
痛風の初期の対処その3:患部は心臓よりも高い位置におく
炎症の起きている部位を、心臓よりも高い場所におくことで、痛みが緩和されます。
心臓よりも高い位置におくことで、静脈がうっ血するのを防ぐことができるためです。
痛風の初期症状では、足の親指に痛風発作が起こることが多いので、その場合は丸めた布団やクッション、座布団などを足元に起き、その上に足を乗せます。
足を挙上するようにすると、炎症の起きている部分に血液がたまるのを防ぐことができ、痛みが和らぐので少し楽に感じることでしょう。
非常に簡単にできる応急処置である割に、ある程度即効性があり、症状が緩和する根拠のあることなので、痛風の初期症状が出た際は実践するようにしてください。
痛風の初期の対処その4:早めに医療機関を受診する
これは最も重要なことですが、足の痛みや炎症のピークが過ぎ、身動きがとれるようになったら、すみやかに医療機関を受診しましょう。
初期症状が出た際は、布団が擦れただけでも激痛が走るため、すぐに医療機関の受診には行けないことも多いでしょう。
先述の応急処置によってある程度症状を和らげることができ、それらはもちろん有効に作用しますが、初期対応を誤ると痛風の症状が憎悪する恐れがあります。
早急に医療機関・病院で医師の診察を受けるようにしましょう。
足の痛みのピークは多くの場合で半日〜1日程度であり、その後は軽い痛みが1週間程度続くようになります。
ピークを何とか乗り越えて、痛みを凌ぐことができたら病院に行きましょう。
もし、半日~1日だけ仕事を休んで、痛みのピークを乗り切ったとしても、「よくなってきたからもう大丈夫」と決めつけて我慢するようなことは避けましょう。
そのように独断で適切な治療を受けないことが最も危険となります。
痛風の初期対応の禁忌事項!
基本的には、関節内で炎症が起こっている状態であるので、「温める」ということは炎症を助長してしまうために絶対にNGとなります。
別の例として、皮膚に置き換えて考えると、火傷をしているときに患部を熱いお湯で温めてしまうようなものです。
痛風では、温まることで血流が良くなると炎症は強まってしまい、ただでさえ激しい痛みに苦しんでいるところに、ますます痛みが増幅してしまいます。
そうなるともはや苦痛で耐えられなくなり、まさしく地獄のように感じるでしょう。
初期症状が現れた際、症状の悪化に結びつく恐れのある行動の例を以下に挙げます。
次の行動は禁忌として絶対に避けるようにしてください。
- お風呂に入る
- 患部に温湿布を貼る
- マッサージをする
- お酒・アルコール飲料を飲む
上記の例はいずれも炎症部位の温度をあげてしまうか、血行をよくしてしまうかのどちらかの要素があります。
時々、痛みを忘れ解放されるためにお酒を飲むという対処をする人もいますが、これも血行がよくなり返って痛みを強めてしまいます。
誤った対応をとってしまうと、ただでさえ辛い痛風発作の痛みが増幅してしまうので、絶対に避けるようにしましょう。
痛風の初期症状として、関節に急性の炎症が生じていることをきちんと理解すれば、少なくとも発作の起きている部分を「温める」という発想はなくなるでしょう。
痛風のときにアスピリン系の鎮痛薬は飲まない!
もう一つ重要なこととしては、「アスピリン系の薬を飲まない」ということが挙げられます。
あまりの痛みの強さに痛み止めで症状をおさえようとする方もいることでしょう。
その際に、アスピリン成分の含まれる薬は尿酸値を上げる作用があるため、使用は絶対に控えるようにしましょう。
痛風の初期症状に対する対策まとめ
痛風の初期症状が現れた際は、初めて経験するその激痛に驚くことでしょう。
痛みのピークがくるには半日~1日かかるため、その間は非常に辛い時間となります。
初期症状として現れる痛風発作では、急性の炎症が足の親指に生じて腫れ上がることを理解し、「温める」ということは絶対にしないでください。
足を心臓よりも高い位置におく、炎症の起きている部位を冷やすなど、手軽に行えて即効性のある対処法がいくつかあるため、初期症状が出た際はぜひ実践してみましょう。
もしここまで読んでみても痛風の初期症状かどうかを見分けることに対して不安がある場合はこちらのページに痛風かどうかを判断するためのチェックリストも用意していますので一度目を通してみてください。
また、この記事では痛風の初期症状が現れたときにどう対策をとればいいかということについて焦点を当てて解説してきましたが、痛風の症状の詳しい内容についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も時間をつくってぜひ読んでみてください。
症状のピークが過ぎたら、すみやかに医療機関を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
また、痛風は一度症状があらわれると改善するまでに長い付き合いになります。
医療機関を受診することは非常に重要ですが、お医者さんからもらうお薬だけを頼りにしようとするとなかなか改善が見込めません。
何よりも重要なことは食生活を改善していくことです。
毎日の食事のサポートには手軽に活用できるサプリメントがおすすめです。最近は食事を食べ過ぎてしまう不安を解消してくれるようなものもあります。
まだ試していない場合は、一度手に取ってみるといいでしょう。